新卒採用手法に新風ーideagramの活用したデザイン選考で創造性の高い人材を6名採用
住友商事株式会社 人事部採用チーム(当時) 重久翔守様
- 実施内容
- 創造性高い学生の採用を志向した ideagram導入及びデザイン思考ワークショップ実施
- 実施期間
- 2019年6月〜7月
- 課題・背景
- 会社としての変革が求められる中、従来の面接を中心とする選考では見極めが難しい創造性が高い人材の発掘・採用を目指し、人の創造性を可視化できるideagramならびにデザイン思考ワークショップを導入
- 実施結果
- 面接では採用できないタイプの学生(6名)を採用することに成功
2019年6月より約2ヶ月、新たな採用アプローチとして応募者1,200名を対象に創造性を可視化するideagramを実施し、高スコアの学生を対象に創造性を観察・評価できるワーク型選考を開催。過去前例のない選考方式を通じてどういった成果があったのか、プロジェクトをリードした住友商事株式会社 人事部採用チーム(当時)の重久様にお答えいただきました。
面接では見抜くことが難しい「独自性」や「創造性」を持つ優秀な人材を採用
「デザイン選考」を実施されていかがでしたか?
面接では見抜くことが出来ない強みを持ったタイプの優秀な学生様を採用できました。具体的には創造性や独自性に秀でた6名に内定を申し渡しました。6名のうち4名は6月に実施した弊社の面接では不採用でしたが、デザイン選考において非常に優秀なパフォーマンスを発揮し内定に至りました。面接中心ではない選考プロセスを実施したからこそ、優秀な人材を採用できたと感じています。
どのような課題認識から、今回のような選考形式の実施に至ったのでしょうか?
住友商事の人材戦略のコンセプトは”Diversity&Inclusion~多様な力を競争力の源泉に~”です。ICT、AIに代表される第四次産業革命に対応すべくビジネスの多様化・高度化が進む中、変革期の世界で勝ち抜いていくために多様な「知」をミックスさせることが不可欠だと考えています。これまでの当社は面接を主流とした採用選考を実施してきましたが、面接で全てを見極める事は難しいと考えています。特に新たな価値を創り出すうえで必要とされる「独自性」や「創造性」は通常の面接では特に見極めが難しいという課題感から、その能力・素養に着目した「デザイン選考」を実施することになりました。
このような前例のない取り組みにつき、社内で反対意見もあったのではないでしょうか?
懐疑的な意見もありましたが、会社として変わらなければいけないという危機感の中、最終的には担当役員の合意も得て「住友商事の未来を担う新卒採用から変えていこう!」となりました。従来の面接をマイナーチェンジしても大きな変化を創り出すことは出来ないと考え、面接を一切実施しない新たな選考手法を実施しました。採用本選考でここまで振り切った施策を展開することは会社としても大きなチャレンジでしたが、ideagramを社内でも試してみて可能性を感じ、導入に踏み切りました。
本質的な課題発見力をはじめ、ビジネスシーンで求められる汎用的なスキルを高いレベルで兼ね備えている方が多かった
ワークショップまで残った学生さんの印象はいかがでしたか?
ワークの中でも鋭いアイデアを多数出されており、創造性が高い学生さんは、本質的な課題発見力をはじめビジネスシーンで求められる汎用的なスキルを高いレベルで兼ね備えている方が多かった印象です。また、ideagramで独創的なアイデアを創出するスコアが突出した方もワークにお呼びしましたが、スコア通り多角的な観点からアイデアを出していた印象です。
参加された学生さんはどのような印象をお持ちだったのでしょうか?
選考プロセス自体に興味をもってくれた学生さんが多かったようです。「少し変わった選考をしているから住友商事を受検した、一般的な面接対策は苦手だけど、アイデアを出すのは得意」という学生さんもいました。社員を交えて半日がかりのワークというのも、会社の雰囲気を掴んでもらうのに良い方向に働いたみたいですね。
最後にコメントを頂けますか?
他社の採用のご担当とお話すると「面接以外の手法でやりたいよね」という話になることがありますが、様々な事情で最終的には面接での採用を実施せざるを得ないケースが多いかと思います。そうした中、面接では見極められなかった創造性をideagramにより定量化し、デザイン思考に基づくワークでさらに深く見極めて評価するデザイン選考を設計・実施したことで日本の採用シーンに一石を投じることができたと考えています。改善点もありますが、今後も既存の価値観・手法にとらわれない、「攻めた採用」を展開していきたいと思います。