ideagram独自の強制発想を最大活用したオンライン共創で670のアイデアの種が誕生
パナソニック株式会社 アプライアンス社 技術本部 久保谷 寛行様
- 実施内容
- 新製品開発・技術テーマ探索のため二社合同でideagramのオンラインセッション及びオンラインワークショップを実施
- 実施期間
- 2020年3月〜6月(新型コロナウイルスの影響による中断期間を含む)
- 課題・背景
- パナソニックの技術力を駆使して、生活者の生活をより良くする「新習慣」を実現するアイデアを創出するため、パートナー企業との共創による取組を実施。複数企業でイノベーション創発に取組む手段として、生活者視点でありながらも、両者の技術を活用した強制発想が出来るフレームワークに可能性を感じ、ideagramを導入。
- 実施結果
- アイデア出し実施時の準備工数の大幅削減
- ideagramの強制発想のフレームワークを使い、解像度が高い顧客課題とそれに対する今までに無い解決策を抽出
- 670件のアイデアが抽出され、そのうちの特に優れた3件を共同研究する予定
生活者の生活をより良くする「新習慣」を生み出すため、パートナー企業と合同で新製品アイデア・技術テーマを探索。ideagramのシステムに両社の様々な技術を予め掛け合わせて組込むことにより、アイデア出しからワークショップまで完全オンライン実施にも関わらず、生活者視点と技術活用を両立するアイデアの種が多数生まれ、共同研究に向け進んでいます。今回この新規取組を企画・推進された アプライアンス社技術本部ホームアプライアンス開発センター久保谷寛行様にお話を伺いました。
業界の外に視野を広げたパートナー企業との「共創」にideagramを活用
久保谷様はどういった形で新規ビジネス創造に携わっているのですか?
製品白物家電・美容健康家電の先行技術開発を担当する技術部門に在籍し、新規事業や新製品に繋がる技術テーマの創出推進を担当しています。2030年を見据えて取組むべき技術テーマを特定する技術戦略の策定、技術テーマの創出及び開発加速のためにオープンイノベーションを推進しています。
今回の取組の実施背景を教えて下さい。
技術部門では自前主義の意識が強く、お客様の困り事を解決するためのソリューションを、無意識のうちに既存の製品や技術を前提とした改良、高機能化の技術開発といった範囲に限定してしまっていることがあります。ですが、家電という既に成熟した領域の中で、お客様の琴線に触れる新しい価値を生み出すには、家電業界の外に視野を広げ「共創」を通じて、今までに無い価値を創ることが不可欠です。今回の案件は現場のエンジニアから、以前からお付き合いのある企業様との共創の進め方に関して相談を受けたことがきっかけでした。
具体的な実施プロセスを教えて下さい。
アイデア創出活動は、ideagramを活用したアイデア強制発想とその中で出た有望アイデアを対象としたワークショップの2フェーズに分けて実施しました。前半のideagramを活用したオンラインセッションでは、まず両社が注目している市場や特徴的なペルソナ、両社の強みである保有技術の棚卸を行い、ideagramシステムに入力しました。約100名で実施し、670件のアイデアが抽出されました。後半は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、急遽ワークショップをオンラインプに切り替え、28名で4回に分けて実施しましたが、コミュニケーション効率の観点も含め、思った以上に良い体験でした。ワークショップでは8件のアイデアを深堀し、その場で投票を行い、3件は11月以降の共同研究スタートを目指して詳細な調査、検討を開始しています。
オンライン完結のプログラムを通じ、670件のアイデアが創造された
結果はいかがでしたか?
強制発想が出来るオンラインセッションで670件のアイデアが創造されました。出てきた困りごとは解像度が高く、解決策についても、技術の専門分野の異なるエンジニアが入り混じっていたことから、普段思いもつかないような解決策のアイデアを複数得ることができました。また、アイデアに対してはideagramによる目利き力で重みづけされた客観的な点数がつけられており、多くのアイデアから注目すべきアイデアを効率的に抽出することができました。ワークショップ後のアンケートでは8割近い参加者から「自ら欲しいと思えるアイデアを見つけることができた」という結果となりました。今後は選定したアイデアに対して、ユーザ調査、技術実現性・事業性の検証を行い、両社で取組む共同研究テーマを決定していきます。
実施プロセスは従来と比べいかがでしたか?
前半のアイデア出しは、事務局としての準備工数は、従来方法に比べて1/2以下でした。アイデア創出のフレームワークがシステム化されているのは便利ですね。逆に苦労した点は、ideagramのシステムにインプットするための自分たちの保有技術を棚卸し、両社の強みが生かされるよう技術をシンプルに表現して入力する事でした。後半のワークショップは、オンライン実施となり、実は両社参加メンバー同士が一度も直接会うことができなかったにもかかわらず、対面での実施となんら遜色のないディスカッションをすることができました。参加者からはオンラインだからこそ、発言がしやすかったという感想も聞かれました。
これからこのような共創を通じどのようなことを実現されていきたいですか?
オープンイノベーションの活動を通して、日頃から大切にしているお客様のお困り事を継続して解決していくことに加え、未来の心豊かな生活を提案していきたいと考えております。